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2008年9月27日 (土)

9月最後の土曜日

「9月最後の土曜日に釣りでもどうですか?」と、最近またしても尺ものを釣ったらしい隣町の大いわな名人にメールをしてみまると「たぶん決行可能かと思います。最後はいわな釣りにしましょうか?」との返信。「やまめでお願いします」と返事して、天気予報とにらっめっこしながら、9月最後の土曜日がくるのを待ちました。

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:魚が見る世界。:魚が棲む世界。:山から滲み出す水。

9月27日(土)の未明、家の向かいのオレンジと白の看板がけばけばしい吉野家の前に名人がハマーで迎えにきてくれました。とりとめのない会話をしていると、いつの間にか釣り場に到着です。夜が明けるのもずいぶん遅くなり、まだ谷あいの集落は薄暗いままです。それでも手早く支度を済ませ、いまだ弱々しい青白い明かりの中にぼんやり浮かび上がる本流を渡渉し、しばらく遡行すると右手から目指す沢が落ちてきます。

頭上の開けた広い河原でタックルを組みます。Mさんは今シーズン何尾もの尺ものをもたらした7フィート4番のフェンウィックとプフルーガー、私は同じ番手の5ピースのグラス竿とフェザーウェイト。ここ2ヶ月ほどはこの竿ばかり使っています。釣りのリズムが狂うのでいろんな竿を使うのは止めました。尺ものをばらしたのもこの竿です。

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:まずはポタージュスープで温まりました。:食後は熱いコーヒー。:相変わらず森の中は菌類だらけ。

先週よりも一枚多く着てきたにもかかわらず暗い谷底は肌寒くて、なるべく足許を濡らさないように注意しながら釣り上がります。下流部の反応の悪さは事前に織り込み済みでしたが、それにしても釣れません。明るい河原で最初の休憩。農家だった私の祖父母は必ず朝10時におやつにしていました。まぁそれと同じようなものです。寒かったのでコーヒーはやめました。MさんがSVEAで沸かしてくれた湯で粉のポタージュスープを溶いて、ピスタチオをボリボリ囓っては熱いスープをズズっと啜「ハァ〜ッ」と声をあげてました。

休憩後も、なかなか釣れません。ただし、ときどき魚影は確認できるので、スレで警戒心が強くなった上に、秋の深まりともに活性が低くなっているのでしょう。もうすぐお昼にしようかという頃、パタパタとやまめが釣れはじめました。どれも秋色に染まったきれいなやまめたちです。しかし、後が続きません。今後の展開に期待しつつお昼ごはんで大休止にしました。Mさんの働き者の真ちゅう製のガソリンバーナーはあっと言う間に湯を沸かし、私の真ちゅう製のアル コールバーナーは、いつもの調子でなかなか湯が沸きません。しかし、今日は今シーズン最後のお務めなので、頑張って湯が沸くまで働いてもらうことにしまし た。Mさんがカップ麺の残り汁を啜っている頃ようやく湯が沸き、私も温かいカップ麺にありつくことができました。

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上段左釣り師の背中、釣り師の背嚢。私の足元、私の釣竿、私の毛鉤。最近愛用の山釣り道具。パタゴニアのトレイルランニング用のバックパックは釣りにちょうど良いサイズです(小さいので藪をかいくぐりやすい)。
下段左:惚れ惚れするような秋色やまめ
:やたらと腹の太いいわな:こんなのまで釣ってしまいました。

満腹で上機嫌になった午後の釣りはというと、Mさんは若干調子を上げたものの、私は低空飛行のまま。実力の差なのでしょう。ただし、尺にはほど遠いものの私的にはなかなか大きいいわなを釣ることができました。いわな釣りの腕はいくぶんか上達したようです。

中途半端に時間があったのでヤブのうるさい枝沢に足を踏み入れてみました。見よう見まねのボウ・アンド・アロー・キャストで送り込んだ毛鉤に魚は出たもののアワセるだけの空間はなく、鉤がかりにいたりません。そんなこんなでヒーヒー言いながら沢を詰めると、いつの間にかあれほどうるさかった倒木帯が姿を消し、傾斜はきついものの、魚がたまりやすそうな場所が連続するようになります。Mさんがいつもより慎重に低い姿勢でポイントに近づき、注意深く観察した後、あの手この手で毛鉤を送り込みます。魚は水面を割ることはありませんでした。やがて諦め次の釣り場まで登り、そこから先ほどのポイントをかえりみると、やまめたちは産卵活動にいそしんでいるようでした。もう、こうなるとおセンチな釣り師の出る幕はありません。軽く毛鉤を流しながらさらに上の流れの様子を探ってみると、5メートル、続いて20メートルほどの滝が待ってました。地形図を確かめると、沢は幾筋にも別れながら続いているようです。この谷の奥深さを垣間見ました。

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谷はその懐にいくつもの滝を秘めています。そのいくつかは「魚留め滝」であり、魚留め滝を理解することで谷をより深く理解することができます。

立派な滝の姿をカメラにおさめ、今日の釣りは終了です。退渓点まで谷を下ったところで水深のある釜にザブザブと腿まで立ち込み、冷たい水の感触を楽しんでから、沢水で何度も何度も顔を洗いました。ここから山道を小一時間ほど歩くと今年の祭りはほぼ終了です。「ほぼ」というのは、アウェーでの消化試合が残っていそうな気がするのです。

たぶん……、あとちょっと、もうちょっとだけ やまめ ときどき いわな釣り……。

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